世界の都会の空を無数の鳥が囲み、喧しい鳴き声を挙げた時があった。それがいつだったかは定かではないのだが、あまりに煩くて、人は皆、していたことを一旦中断したらしい。まさしくそれらの願いはこの行動の延長線上だった。「経済活動を直ちに止めろ」それらの願いはこの一つを示していた。
彼らの警告をいち早く予言していた人々は大勢いた。しかし、簡単なことに彼らよりも都市活動を支えている人たちはもっと沢山いたのだった。年齢は問わない。だから、現在が危機に瀕している限り、彼らの眼差しは常に絶望の中にあった。彼らが行動や諦めと怠けの日々に精力を注いだ間、いったい環境の変動によって生態系は大きいところも小さいところもどのくらい変わったことだろう。加担した罪悪感を感じた彼らの償いは生の苦しみで救いは死だった。一日の活動に到来するものは予測がつかない。だから、彼らの誰も自分たちの待ち焦がれているものを打ち明けることはなかった。
ある時に、一つの余波がある予言者の夢に浮かんだ。それはあの鳥たちの号令が特殊な刺激を人々の脳内に与え、人々は彼らの意思に関わらず、鳥たちのたった一つの決まり事に従わざるをえないという現象だった。これが全世界に同時に起こったことにより、中国もブラジルもアメリカもインドでも経済活動に自制がかけられた。だが、人々の生活は決して裕福ではない、活動に加担しているものは食べるための資金をその活動で得ていたのに、仕事がなくなり、食べ物は盗って食べるしかなくなった。作物を育てようと試みても種から果実を実らせるには少なくとも二十日くらいの辛抱を要した。飢餓の危険のある地帯では援助物資ですら運ばれなくなった。人々は数多くの動物が行うように移動を続けた。獲物が見つけられた人々は幸運である。動物たちは人々によって食料となり、保存食となった。手が届かなかったものは衰弱して死んでいった。これらの現象が予言者の夢の中で連想され、彼は苦しくなって目を覚ました。まとめて考えることがどれだけ危険なことか彼にはわかった気がした。ふと、寝室の窓から物音がした気がして、窓を開けると、鳥が一羽死んで横になっていた。彼はやりきれなくなった。
「もう少し上手な方法があるはずだ」
呟いた言葉は彼を生かして、障壁の中から出口への通路を見つけ出すことだと彼は気づかなかった。しかし、彼には余りある生が自分にあると思った。それは彼らの中では起点だった命あるものを繋ぎ止めたい思いが最終的には、最良の実現を果たすと彼は信じているということなのだろうか。