ゆっくりと静かなピアノの音色を聴くと
自分のヘドロがはっきりとしてくる
いつまでかはわからない
あと何回切望するかもわからない
どこまで行けるかもわからない
意志はまだはっきりとしているか
搾取され続ける構造も
まだ変わっていないか
簡単に失望できる風潮も
変わっていないか
わたしの周りにあるもの
わたしにやってくるもの
抱きしめていって
満ち欠ける頃にやってくるのか
足りている
これだけの表現が私を慰め
歓びを与えてくれる
求めることは薄れていった
誤ってはいないと
あなたはいうが
愛した者が去るまでに
間が
これほどまでに
切なくなるのを
誤っていないと
あなたはいうのだ
一つ一つが
懸命に鈍足に
痛みも命も記憶も
脆いままに
繋ぎ合っていく
九十九歳の歳月